住宅セーフティーネット法の改正──「安心できる賃貸」を誰もが手にするために

はじめに：なぜ今、改正が求められたのか

日本では超高齢化・単身高齢者世帯の増加、所得格差の拡大、持ち家志向の減退などが複合して、賃貸住宅を必要とする人・世帯が増えています。
その一方で、低所得者・高齢者など「住宅確保要配慮者」が民間賃貸住宅になかなか入居できない、あるいは入居しても暮らし続けるのが難しいという課題があります。国・自治体はこれを「住まいのセーフティネット」の不足という視点で捉えており、今回の改正はその拡充を目指すものです。
法改正案は、2024年5月に成立し、施行は2025年10月1日と定められています。

この改正は単なる制度の更新ではなく、「賃貸人（大家側）の不安をどう解くか」「入居者の安心をどう担保するか」を両輪で改めようという設計になっており、住宅政策と福祉政策を結びつける意図が強い点が特徴です。