「外国人お断り」で本当にいいのか
「うちは外国人の入居はちょっと……」
長年賃貸経営をされているオーナー様から、こうした声を耳にすることは今も少なくありません。しかし、その判断、実は機会損失になっているかもしれません。
出入国在留管理庁の発表によると、令和7年6月末時点の在留外国人数は395万6,619人となり、前年末に比べて18万7,642人(5.0%)増加し、過去最高を更新しました。増加の背景には、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少と、それを補うための外国人労働者受け入れ拡大という構造的な要因があります。単身世帯の増加とあわせて、外国人世帯の増加も賃貸住宅需要を押し上げる大きな要因となっています。
岡山県内でも、製造業や農業、サービス業を中心に外国人労働者・技能実習生・留学生の姿は年々増えており、今後も入居希望者に占める外国人の割合は高まっていくと考えられます。空室対策の選択肢を狭めないためにも、「受け入れる・受け入れない」を一律に決めるのではなく、正しい知識をもって判断することが、これからのオーナー様に求められる姿勢ではないでしょうか。
よくある懸念とその実態
外国人入居者の受け入れに慎重になる理由として、次のような点がよく挙げられます。
- 言葉の壁:賃貸借契約時の重要事項説明が正確に伝わるか不安
- 連帯保証人の確保:日本国内に保証人を立てられないケースがある
- 緊急時対応:万が一のトラブル発生時に迅速な連絡・対応ができるか
- 生活習慣の違いによるトラブル:ゴミ出しルールの不徹底、騒音、臭いなど
- 家賃滞納や原状回復への理解不足
国土交通省が公表している「大家さん・不動産業者のための外国人入居者受入れガイド」でも、これらは実際に起こりやすいトラブルとして挙げられています。
ただし、これらの多くは「外国人だから起こる」というより、入居前の説明不足・入居後のフォロー不足が原因であるケースがほとんどです。裏を返せば、事前の対策次第でリスクは十分にコントロールできるということです。
トラブルを防ぐための実務ポイント
1. 契約前の説明を「見える化」する
重要事項説明や契約内容は、口頭だけでなく、やさしい日本語・多言語対応の資料や翻訳アプリを活用して視覚的に伝えることが有効です。特にゴミ出しのルールや騒音への配慮など、生活面のルールは、写真やイラスト入りの案内を用意しておくと入居後のトラブル予防につながります。
2. 保証会社の活用で保証人問題をクリアにする
連帯保証人を国内で確保できない入居者向けに、外国人の利用実績が豊富な家賃債務保証会社を活用することで、オーナー様の不安をカバーできます。近年は保証会社の重要性が改めて注目されており、契約時の標準対応として組み込む管理会社も増えています。
3. 入居後の定期的なコミュニケーション
入居直後の数か月は特に生活ルールの認識ズレが起きやすい時期です。管理会社による巡回や声かけ、多言語対応の問い合わせ窓口を設けることで、小さな違和感が大きなトラブルに発展する前に対応できます。
まとめ:正しく備えれば、確かな入居者層に
外国人人口の増加は一時的な現象ではなく、日本社会の構造的な変化です。今後、賃貸住宅市場において外国人入居者は無視できない存在になっていきます。
「受け入れるかどうか」ではなく、「どう備えて受け入れるか」という視点に切り替えることが、空室リスクを減らし、安定した賃貸経営を続けるための鍵になります。
大安地所では、外国人入居者の受け入れに関するご相談、契約書類の準備、保証会社のご案内など、オーナー様の状況に合わせたサポートを行っております。お気軽にご相談ください。
